前回に引き続き今回も便秘のお話を。皆さんは「たかが便秘、出ないだけでしょ?」と軽く考えていませんか?実は、近年の研究で慢性便秘症は将来の重大な病気や、寿命そのものに影響を与える可能性があることが明らかになってきました 。
今回は、私たちの健康を守るために知っておきたい「便秘と全身疾患の深い関係」についてお話しします。
1. 便秘が「心臓」や「血管」をボロボロにする?
驚くべきことに、慢性便秘は心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患の発症・死亡リスクを高めるというデータがあります 。
- いきみ(怒責)の恐怖: 排便時に強く「いきむ」と、血圧が急上昇して心臓に大きな負荷がかかります 。これが原因で「排便失神」を起こすこともあるため、侮れません 。
- 腸内細菌の乱れ(ディスバイオシス): 便秘で腸内環境が悪化すると、腸で作られる代謝物が変化し、動脈硬化を促進させる一因になると考えられています 。
日本人を対象とした13.3年間の追跡調査では、排便回数が少ないほど、心血管疾患による死亡リスクが上昇することが示されました 。特に、4日に1回以下の排便しかない方は、毎日出す方に比べて死亡リスクが約1.39倍も高かったんです!

2. 便秘は「脳」や「腎臓」にも関連している!
便秘の影響は、お腹だけにとどまりません。
- パーキンソン病のリスク: 慢性便秘の方は、そうでない方に比べてパーキンソン病を発症するリスクが2.27倍高いという報告があります 。興味深いことに、便秘症状はパーキンソン病と診断される10年以上前から現れることが多いのです 。
- 腎機能の悪化: 大規模な研究により、慢性便秘症の方は慢性腎臓病(CKD)や末期腎不全を発症しやすいことも分かっています 。
【院長メモ】
古来より「便秘は万病の元」という言葉がありますが、現代医学の視点からもあながち間違いではないのかも知れませんね。
3. 大腸がんとの関係はどうなの?
「便秘だと大腸がんになりやすい」という説を耳にしたことがあるかもしれません。 理論上は、便秘によって発がん促進物質(胆汁酸など)が腸の粘膜に触れる時間が長くなるため、リスクが上がる可能性はあります 。
しかし、これまでの多くの研究をまとめると「関係がある」とするデータもあれば「関係はない」とするデータもあり、現時点ではっきりとした結論は出ていません 。とはいえ、大腸がんのサインとして便秘が起きることもあるため、急な便通の変化には注意が必要です。
よくある質問(Q&A)
Q:下剤を飲み続けても大丈夫ですか?
A:お薬の種類によります。一部の報告では、下剤を服用している慢性便秘症患者さんで、心血管疾患による死亡リスクが上昇するというデータもあります 。漫然と市販薬に頼るのではなく、医師の指導のもとで適切な治療薬を選ぶことが大切です。
Q:便秘は体質だから治らないと思っていました。
A:そう思われている方はとても多いです!便秘の多くは、腸の動きや生活習慣を整えることで改善が期待できます。体質とあきらめず、一緒に原因を見つけて整えていきましょう!
まとめ:便秘ケアは「未来の自分」への投資!
便秘を改善することは、単にお腹を楽にするだけでなく、心臓、脳、腎臓を守り、健康寿命を延ばすことに繋がります。
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<監修>

イチ*ビル消化器内科クリニック 院長
消化器病・消化器内視鏡専門医
三浦 昂

