「最近、お腹が張って苦しい…」「トイレに行ってもスッキリしない…」 そんなお悩みを抱えていませんか?実は、便秘と一口に言っても、その原因は人それぞれ。「腸のどこで問題が起きているか」によっても対策がガラリと変わってしまいます。
今回は、医学的な知見をベースに、場所による便秘の原因について、解説していきます!
便秘に隠れた3つの「不調部位」
私たちの体の中では、小腸・大腸・直腸がバケツリレーのように便を運んでいます。このリレーのどこかがスムーズにいかないと、便秘が起こります。
1. 「小腸」が原因の可能性も?
意外かもしれませんが、小腸の動きが関係している可能性があります 。
- 小腸の運動障害: 小腸内圧検査を用いた研究では、大腸通過遅延型の慢性便秘症の患者は近位空腸や終末回腸で収縮運動の異常がみられたという報告があります。小腸の動きが便秘に関わっている可能性があります。
- 通過時間は正常?: ただ、面白いことに運動に異常があっても、小腸を通り抜ける時間自体は正常なことが多いようです。
2. 「大腸(結腸)」の運搬パワーがダウン
大腸は、便から水分を吸収しながら出口(直腸)へ運ぶ役割を担っています 。
- 運び出す力の低下: 便をグイッと押し出す「高振幅大腸収縮波(HAPCs)」が弱まると、便がなかなか進まないのです。
- センサーの鈍麻: 大腸の感覚が鈍くなっている(鈍麻)ことも、便秘の大きな原因のひとつです 。
3. 出口(直腸肛門)での「渋滞」
せっかく出口まで便が来ても、最後に出せないタイプです。
- 便意を感じない(直腸感覚閾値の上昇): 直腸に便が溜まっても「トイレに行きたい!」というサイン(便意)が大脳に伝わらない状態です 。これを「直腸感覚鈍麻」と呼びます 。これが原因で排便のスイッチが入らないのです。
- チームワークの乱れ(排便協調運動障害): いざ出そうとしても、いきむ筋肉と緩めるべき筋肉の連携がうまくいかず、逆に出口を閉めてしまうことがあります 。出口が塞がると排便できないですよね。

よくある疑問にお答えします!
Q. 「便意」が全くないのですが、これってマズいですか?
A. 実は、慢性便秘の方の約23〜25%に「便意を感じにくい」という症状が見られます 。ずっと便を溜めたままにしていると、直腸が伸び切ってしまい、さらに感覚が鈍くなるという悪循環に陥ることも 。早めのケアが大切です。
Q. 薬を飲んでもなかなか改善しません…。
A. 大腸の神経や筋肉そのものに問題がある場合、一般的な薬だけでは不十分なこともあります 。特に「出口の渋滞(排便協調運動障害)」タイプは、いきみ方のトレーニング(バイオフィードバック療法)などが有効な場合があります 。
まとめ
便秘は「ただ出ないだけ」の些細な悩みだと思われがちですが、実は体からの大切なサインです。
当院では、あなたの便秘が「通り道の問題」なのか、それとも「出口の問題」なのか、しっかりとお話を聞きながら見極めていきます。 「毎日スッキリしない…」と一人で悩まずに、まずは気軽にご相談くださいね。
↓↓当院の予約はこちらから
↓↓合わせて読む
記事:大腸がん検診の「便潜血検査」とは?陽性時の確率から正しいやり方まで専門医が徹底解説!
記事:「毎日出ればOK」は間違い?消化器内科医が教える、治療が必要な『慢性便秘症』
<監修>

イチ*ビル消化器内科クリニック 院長
消化器病・消化器内視鏡専門医
三浦 昂

