大腸がん検診を特に優先したいのはどんな人? 症状がないために、後回しになりやすい方へ

「大腸がん検診って、自分もそんなに急いで受けたほうがいいんですか?」
「案内は届いているけれど、今は特に困っていないので、今年は見送ってもいいかなと思っています」

こうした迷いはとてもよくあります。

毎日忙しい中で、痛みもない、血便もない、体調もそれなりに普通。そうなると、大腸がん検診はどうしても優先順位が下がりやすくなります。受けたほうがいいのは何となくわかっていても、「今じゃなくてもいいか」と流れてしまうんですよね。

でも、消化器内科の医師としてお伝えしたいのは、特に優先したいのは、具合が悪い人だけではなく、症状がないまま検診からこぼれやすい人だということです。

今回は、「どんな人が特に大腸がん検診を意識したほうがよいのか」を、病気の話だけでなく、実際の生活の流れに合わせて整理してみます。

1. 40歳を過ぎたのに、まだ“毎年受ける流れ”ができていない方

大腸がん検診は、40歳から年1回 が基本です。

ここで大事なのは、「40歳を過ぎたら何か症状が出る」という意味ではないことです。そうではなく、症状がないうちから毎年確認する習慣を持ったほうがよい年齢に入るということです。

ただ実際には、40代は仕事も家庭も忙しく、自分の検診は後回しになりがちです。

  • 今年は忙しいからまた来年
  • まだ若いから大丈夫そう
  • 症状がないから急がなくていい

こうした考え方は自然ですが、そのまま何年も過ぎてしまう方は少なくありません。

特に優先したいのは、「受けたほうがいいとは思っているのに、毎年受ける流れがまだできていない方」です。最初の1回が入るだけで、その後の検診はぐっと習慣化しやすくなります。

2. 会社の健診や職場の流れに乗らず、自分で動かないと受ける機会がない方

大腸がん検診を受けるかどうかは、意識の高さだけで決まるわけではありません。実際には、受ける仕組みが生活の中にあるかどうか が大きく影響します。

たとえば、

  • 自営業やフリーランスの方
  • 専業でご家族を支えている方
  • 退職後に職場健診がなくなった方

こうした方は、「自分で申し込まない限り、その年の検診が始まらない」ことが多いです。

ここが大きな分かれ道です。

会社の健診の流れに乗れる方は、ある程度は機械的に受けられます。でも、自分で動く必要がある方は、忙しさや面倒さで止まりやすい。だからこそ、このタイプの方は優先順位を一段上げて考えたほうが実際的です。

一宮市では、40歳以上の方が年1回500円 で大腸がん検診を受けられます。条件がそろっているのに、その仕組みを使わないまま終わってしまうのはもったいないことです。

3. 「症状がないから自分はまだ先」と思っている方

大腸がん検診と相性がよいのは、むしろこのタイプです。

というのも、大腸がん検診は、症状がない方の中から、次に詳しく確認したほうがよい方を見つけるための検診だからです。症状がある方が受ける検査、というより、症状がない今だからこそ意味がある検査なんです。

ここを逆に考えてしまう方は少なくありません。

  • 症状が出たら受ける
  • お腹の調子が悪くなったら考える
  • 今は元気だからまだ不要

こう考えてしまうと、検診の本来の役割とずれてしまいます。

もちろん、血便、腹痛、便の性状の変化、便秘や下痢が長く続く、急な体重減少などがある場合は、検診ではなく受診して相談したほうがよい場面があります。ただ、そうした症状がない方ほど、「今は関係ない」と思って流しやすいのも事実です。

症状がないからこそ検診の優先度が高い。
この視点は、ぜひ持っておいていただきたいところです。

4. 痔や便秘を“いつものこと”にしていて、変化を見逃しやすい方

もうひとつ優先したいのは、普段から便通の悩みがある方です。

  • もともと便秘ぎみ
  • たまに出血しても痔だと思ってしまう
  • お腹の張りは昔からある

こうした方は、大きな異常があるという意味ではありません。ただ、変化に慣れてしまって、新しいサインに気づきにくい ということがあります。

検診のよいところは、そうした自己判断だけに頼らず、毎年一定の形で確認できることです。

一方で、症状がはっきり続いている場合は、検診だけで済ませようとせず、受診して相談するほうが向いていることもあります。つまり、

  • 症状がない、または軽くて安定しているなら検診を習慣にする
  • 症状が続く、以前と違うなら受診に切り替える

この切り分けが大切です。

5. “前に大丈夫だった”ことを理由に、ここ数年止まっている方

意外と多いのが、このタイプです。

以前の便潜血検査が陰性だった、あるいは以前に大腸カメラで大きな異常がなかった。その安心感があるために、その後の確認が止まってしまうことがあります。

でも、大腸がん検診は「一度大丈夫ならしばらく終わり」という性質のものではありません。年1回の確認を重ねることに意味があります。

過去の安心材料は大切です。ただ、その安心を長く保つためにも、毎年の確認を切らさないことが大切です。

よくあるご質問(FAQ)

Q. 自分は会社の健診がありません。それでも受けたほうがいいですか?

A. はい。むしろ、自分で動かないと受ける機会が作られない方ほど、意識して予定に入れたほうが安心です。一宮市の検診制度を使える方は、そこをきっかけにすると始めやすくなります。

Q. 便秘や痔があるだけでも、検診を優先したほうがいいですか?

A. いつもの症状にまぎれて変化を見逃しやすい方ほど、定期的な確認の意味があります。ただし、血便、便通の急な変化、腹痛、体重減少などがある場合は、検診を待たず受診を考えたほうがよいこともあります。

メッセージ

大腸がん検診を特に優先したいのは、特別に体調が悪い方だけではありません。

40歳を過ぎたのにまだ習慣になっていない方、会社の健診の流れに乗らず自分で動く必要がある方、症状がないからまだ先と思っている方、便秘や痔で変化に気づきにくい方。こうした方は、実は検診からこぼれやすいタイプです。

怖がってほしいわけではありません。今困っていないからこそ、今のうちに確認しておく価値がある、ということです。

「自分は受けたほうがいいのか迷う」
「検診から始めるのがよいのか、受診して相談したほうがよいのか判断しにくい」

そんなときは、ご相談ください。LINE・WEB・お電話からご予約いただけます。今の状況に合った次の一歩を、一緒に整理していきましょう。

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<監修>

イチ*ビル消化器内科クリニック 院長

消化器病・消化器内視鏡専門医

三浦 昂