便秘の時に知っておきたいこと。「体質だから」と決めつける前に

1. 便秘のよくある勘違い:「毎日出ないと便秘!」

実は、便秘は単純に排便回数だけで決まるものではありません。

出すべき便が大腸に残ってしまうこと、気持ちよく出せないこと が「便秘」なのです!

つまり、毎日出ていなくても、便が硬すぎず、無理なく出て、出たあとにスッキリしていれば、便秘ではないのです。

反対に、毎日出ていても、便が硬い、強くいきむ、残っている感じがする、お腹が張る。こうした症状が続くなら、「便秘」として考えます。

大事なのは回数だけではなく、スッキリ・十分に・無理なく出せているか です。

美紀さんのように「お腹が重い」「生活に影響している」状態は、「便秘」と考えて良さそうですね。

2. 便秘って、どんな症状があるの?

便秘と聞くと、「便が出ないこと」だけを思い浮かべるかもしれません。でも、実際にはいろいろな症状があります。

  • 便が硬い
  • コロコロした便が出る
  • 強くいきむ
  • トイレに時間がかかる
  • 出たあとも残っている感じがする
  • お腹が張る
  • お腹が重い
  • 下剤を飲まないと不安になる

外出前にトイレが気になる。仕事中もお腹が張って集中できない。下剤を飲むタイミングで予定を調整してしまう。そんな症状もあります。

3. 便秘の本当の原因は?

「水分不足ですね」「食物繊維を取りましょう」と言われることもありますが、それだけでは説明できない便秘もあります。原因は大きく分けると、次のように5つに整理できます。

① 腸の動きが悪い

腸の動きが悪いために、便が大腸に長くとどまるタイプです。便は長く残るほど水分が吸収され、硬くなりやすくなります。

② 出口の腸の不具合

便は直腸の近くまで来ているのに、うまく出せないタイプです。排便に関わる筋肉が動いて欲しい時に動いてくれなかったり、緩んで欲しい時に緩められなかったりします。「排便したいのに出せない!」という方に多いです。

③ 腸の過敏

腹痛があったり、お腹が張ったりすることが多いです。排便すると少し楽になる、ストレスや食事で悪くなる、便秘と下痢を行ったり来たりする場合は、過敏性腸症候群の便秘型なども考えます。

④ 薬や別の病気

痛み止め(イブプロフェン)、降圧薬、鉄剤、抗うつ薬、抗精神病薬などは、便秘に関係することがあります。病気であれば、糖尿病、甲状腺機能低下症などが関係することもあります。

⑤ 腸が詰まる

大腸がんなどで腸の通り道が狭くなると、便秘、下痢、便が細い、残便感、お腹の張りなどが出ることがあります。

この中で絶対に見落としたくないのは⑤です

4. 絶対に見逃したくない病気:大腸がん

便秘があるからといって、すぐ「大腸がん」ではありません。

ただし、大腸がんは、便秘とまぎらわしい症状で見つかることがあります。血便、便通の変化、便秘や下痢、便が細くなる、残便感などが出ることがあります。ただ、早期では自覚症状がほとんどないのが大腸がんです。

日本では大腸がんは非常に多く、2023年のがん罹患数では、男女総数で大腸がんが1位です。生涯で大腸がんと診断される確率は、男性で約10人に1人、女性で約13人に1人とされています。

「まだ40代だから大丈夫」と思う方もいます。

しかし、この考えも危険です。

私と同じ消化器内科のドクターで、かつて同じ職場で働いていた上司がいます。その上司は当時45歳で、何気なく「症状はないんだけど、大腸カメラやってよ」と言って、大腸カメラをしてみると、なんと大腸がんが見つかりました。しかも少し深くまで入り込んでいたために手術で腸を切ることになりました。

早く見つからなかったら・・・と思うとゾッとしますね。

正しく知って、相談できる場所を作る

便秘は、とても身近な症状です。だからこそ、「昔からだから」「体質だから」と思ってしまいやすいです。

でも、大切なのは、正しく知って、必要なときに相談できるようにしておくことです。

当院では、LINEで定期的にお腹に関連した健康情報を発信しています。そして、気軽に相談できるクリニック作りを積極的に行っています。

皆さんの健康に、笑顔で生き生きと過ごしていただける土台に少しでもお役にたてれば嬉しく思います。

① もっと健康情報を知りたい方・必要なときに相談したい方

LINEでは、お腹の不調や胃・大腸の健康について、定期的に分かりやすい情報をお届けしています。また、LINEからすぐ予約が取れるシステムになっています。

「役立つ健康情報を知っておきたい」「困ったときに相談したい」。そんな方は、まずLINE登録から始めてみてください。

② 一度相談したい方

便秘が続く。お腹が張る。残便感がある。市販薬を飲み続けている。便が細い、血が混じる、体重が減るなど気になる症状がある

そんな方は、一度相談してみましょう

<監修>

イチ*ビル消化器内科クリニック 院長

消化器病・消化器内視鏡専門医

三浦 昂

参考情報

  • 日本消化管学会編「便通異常症診療ガイドライン2023 – 慢性便秘症」
  • National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases. Constipation.
  • 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん」
  • 国立がん研究センター がん統計「最新がん統計」